学校を出たての一、二年のあいだは、まだまだ純情な青春時代を引きずっていますから、久し振りに芸術祭などに顔を出すと、大して日も経っていないのに大げさに懐かしがったりします。そして、現役生の前で社会人としての大変さや厳しさなどを、半ば自慢げに語ったりします。 しかし、社会に出て三年も経ちますと、すっかり大人としての生活に慣れてきます。 そして、いつの間にか学生時代の人間関係なんてどうでもいいや、といった気分になってきます。仕事に慣れ、業界での野望に燃える人。結婚や出産などのライフイベントを迎える人。がむしゃらな毎日に時は過ぎ、気がつけば学生時代は遠い昔…… 人によって、人生を振り返る時期は様々です。 今の生活に疑問を感じたり、疲れてしまったりして少しだけ休みたくなる時。 あるいは、仕事で成功したり、子育てに一段落し、余裕ができた時かもしれません。そんなとき、ふと、10年、20年、30年ぶりにでも、学生時代を共に過ごした気の置けない仲間に会ってみたくなる日が、きっと来ると思います。
そこへ、同窓会を知らせる一通のハガキが届くのです。 久し振りに顔を合わせた懐かしの面々。お互いに数十年ぶりの再会です。きっと最初の頃はぎこちないはずです。『くん』とか『さん』とかで、呼び合うかもしれません。しかし、しばらく話していると、あっという間に『あの日の私たち』に戻ることができるのです。そして、意外にも、そこから新たに始まる人間関係もあるのではないでしょうか? 久し振りに出会ったことで、旧友との縁がより深まったり、同期での集いが定例化するキッカケになることもあります。また、一方では、全く新たなる出会いが生まれる場でもあるのです。なぜなら、私たち珈琲研究会の仲間は、若い世代が常に増え続けているからです。 「世代を超え、人と人とが集って、今を活かす出会いが、再びはじまる……」 OB会は、決して過去を懐かしむためだけの存在ではないはずです。
三代OB会長 小原厚志 (12期会長/映画学科)